二つの紅茶
今日はユキが友達を店に連れて来る日だった。ユキは毎日、この店で紅茶を一つ飲む。店は駅の近くにある。朝の店には、まだ人が少ない。ユキはドアを開け、ケンと一緒に入った。
「おはようございます」
「おはようございます。こちらへどうぞ」
ナオはいつものテーブルを見せた。ユキは椅子に座った。ケンはユキの隣に座った。
「ユキさんは、いつもの紅茶ですね」
「はい。今日は二つお願いします」
「二つですね」
「はい。友達のケンです。今日、初めて一緒に来ました」
「ケンさん、初めまして。紅茶でいいですか」
「はい。紅茶をお願いします」
ナオは台所へ行った。少しして、紅茶を二つ持って来た。ナオはテーブルにカップを二つ置いた。ユキの前にも、ケンの前にも、紅茶があった。
「今日は二つです」
「ありがとうございます」
「いつもは一つですね」
「はい。いつも一人です。今日は友達と一緒です」
ケンはカップを持った。紅茶は熱かった。ケンは少し待った。
「ユキは毎日ここに来ますか」
「はい。毎日、朝に来ます。紅茶を飲んでから仕事へ行きます」
「いい店ですね。静かです」
「私もそう思います」
ナオは砂糖をテーブルに置いた。
「砂糖は一つでいいですか」
「はい。いつも一つです」
ケンは砂糖を少し入れた。ユキは砂糖を入れなかった。
「ユキはいつも同じ紅茶ですね」
「はい。同じ紅茶がいいです」
二人は紅茶を飲んだ。外を電車が通った。店に人が一人入った。ナオは入口を見て、すぐに二人のテーブルへ戻った。
「紅茶は大丈夫ですか」
「はい。大丈夫です」
「おいしいです」
ケンはカップを置いた。
「明日も来ますか」
「明日は仕事です。来週、また来ます」
「じゃあ、来週も二つですね」
ユキは財布を出し、二人分のお金をテーブルに置いた。ナオは二つのカップを下げた。ケンは入口で振り返った。
「ナオさん、来週も二つお願いします」
「はい。二つですね」